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Cause of Chaos
4th mini album『Reminiscence of the Full Moon』より
〈Socialite's thoughts〉
(あの金を持ってそうな奴はどこの奴だ)
(あいつは大したことなさそうだ)
(可哀想に まともな服が無かったのだな)
(良い女がいるじゃないか)
〈Herod&Herodias thoughts〉
※()…Herodias
私は何でも持っている
無いものなどない
全て手に入れてきた
(そうよ私達は手に入れてきた)
この城もこの国も私のもの
(私達のもの)
さぁ 可愛い可愛い娘よ
私は今 お前を欲している
(私はもう良いのですか)
さぁ その纏った衣を全て脱ぎ
素肌を私に見せなさい
(もうおやめなさい)
他の男などに全て差し出してしまう前に
私が全て奪ってしまおう
(なんという娘なの)
あの男はいけない 出してはいけない
(やはり気味が悪いわ)
だめだ 来るな 私はお前に敵わない
(容姿は悪くないのに口が悪い)
やめてくれ 黙ってくれ 怖いんだ
(やめて頂戴 私を責めないで)
お前を失うことも お前のせいで何かを失うことも
(それ以上卑下しないで)
だからお前は
(でないとお前を)─
可愛い娘よ 誰の為でもなく
目の前の男の為だけに素肌を曝せ
(あの娘はヨカナーンに夢中です)
あんな男に奪われるくらいなら
(呆れた)
どんな手を使ってでも奪う
(何をしたって敵わないくせに)
褒美をくれてやろう
(ろくな男がいない)
何でもくれてやろう
(どいつもこいつも私を不幸にする)
『ヨカナーンの首がようございます』
それだけはやめてくれ
(我々を侮辱した罰)
あの男の首だけはならぬ
(何を今更恐れるのです)
この世の終わりが近付く
(私を辱めた男共に天罰を)
あの男は殺してはならぬ
(殺しておしまい)
世界を狂わせた 狂気の娘よ
何故 お前はそんなにも美しく笑う
何故 お前は好いた男の首を持って
嗚呼 まるで幼き日のお前が
無邪気に林檎でも齧っているかのよう
お前は何故そんなにも
どうしようもなく
可愛いのだろうか─
〈Prologue to Chaos〉
─城の灯り、にぎやかな会話と華やかな衣装、大勢が集う宴
真暗な闇夜にはぽっかりと穴が開いたように白い満月
欺瞞に満ちた城内、不満や怒りを覆い隠す人々の笑顔は
勿論 この城内の者なら誰一人として知らぬ者はいない”日常”
ただ 今夜だけ この満月の夜だけは 何かが違った
この歪で異様な平凡さえも
役者がいなくなっては
もう二度と戻ってこない